場面緘黙について

2017.03.24

場面緘黙について

Q1 “場面緘黙”って何?

 “場面緘黙(ばめんかんもく)“とは、一般的に家の中や家族だけの場面などでは自由に会話ができますが、学校や幼稚園など特定の場面で話ができないという症状で、多くは小児期にはじまります。”選択性緘黙“と呼ばれることもありますが、お子さん自身が場面を選んでしゃべらないわけではなく、しゃべりたくてもしゃべれない不安障害の一つです。お子さんによっては、活動参加、歌や踊り、絵や字をかくことや、排泄や食事も特定の場面ではできなくなることもあります。どのような場面や状況では話すことができて、どの場面では困難かは一人一人異なります。

Q2 なぜおしゃべりができないの?ことばの発達と関係しますか?

 場面緘黙の原因は、複数の要因が絡み合って生じており、一概には言えません。ことばの遅れや発達障害の特性を伴っているお子さんもいれば、ことばの発達はむしろ早かったというお子さんもいます。

Q3 支援の方法は?

 人は誰しも、緊張しやすい場面やリラックスできる場面がありますが、それは場面緘黙のお子さんにおいても同じです。場所や人、その場の活動によって、強い不安を感じたり、楽しく自分らしく参加できたりする状況が異なります。そこで、不安を感じやすい状況に、リラックスできる要素(緊張を緩和してくれる人や活動)をプラスするなどの工夫をしながら、場数を踏んでいき、自信をつけていくことが症状の改善につながります。例えば、近所のお店でお菓子を買ってくることはやってみたいけれど、不安な状況であったとします。そこに、いつもワイワイ遊んでいる弟と一緒に行くとなったら、家の延長のムードで楽しんで買ってくることができるかもしれません。こんな風に、「話したい」、「参加したい」、「やってみたい」と思う場面を組み立て、回数を重ねて体験し、自信をつけていくことが大事です。場面緘黙の支援は、根気よく継続的に行っていきましょう。

Q4 園や学校での対応は?

 入園や入学、進級、転校など新たな集団に入る場面で我が子の緘黙に初めて保護者が気づくこともあります。また、長く続いた緘黙症状が改善する機会となることも、逆に悪化する機会になることもあります。
 大事なことは、おしゃべりすることだけにこだわらず、まずは活動に楽しく参加できるように工夫していきましょう。例えば、クラスメイトの前での発表は苦手でも、お友達と一緒に教材を見せるなど、発表する活動の役割の一部を担うことで、次第に発表することを楽しめる子もいます。無理強いせず、無視せず、参加する方法を、先生と保護者、そして時には本人も交えて意向を確認しながら知恵を出し合って考えていけるといいですね。

★おわりに

 場面緘黙は、自然治癒するケースもありますが、成人してもその症状に苦しんでいる人もいます。支援は、年齢が小さいほど、変化が見られるケースが多いです。入園や入学後の子どもたちが、他の子どもたちが集団場面では言葉を発することがなく、固く緊張しているようすが見られたら、早めにご相談ください。友愛のさと診療所では、小児科や児童精神科医の診察のほか、臨床心理士を中心に、場面緘黙をもつお子さんの保護者の情報交換のためのグループや、集団コンサルテーション、親子参加のグループ、そして必要に応じて、受診されたお子さんの園や学校の先生とのコンサルテーションも行っています。
 どこでもお子さんらしさを発揮していくことができるように一緒に応援していきます。

 参考文献

場面緘黙についての情報満載!役立つサイト